2024.05.07
タレントマネージャー・構成作家・公演制作スタッフなど即戦力のエンタメスタッフを育てる学校「YCA(よしもとクリエイティブアカデミー)」。
この記事では、YCAについて「実際にどんなことが学べるの?」「卒業後はどんな進路につけるの?」と詳しく知りたい方のための、座談会を開催! ピン芸人のタケトが、3月に卒業したばかりの3期生4名から話を聞きました。
第2回目は、「YCAで面白かった授業、学べたこと」というテーマで、それぞれが1年間で印象に残った授業や経験を共有してくれました。
座談会①「YCAに入学するのはどんな人?」はこちら
座談会③「通ったからこそわかる良いところと悪いところ。卒業後の目標」はこちら
(一番左)
跡見莉り子さん …ライブプロデューサーコース。大学4年時に入学。在学中に秋の採用試験に合格し、4月から吉本興業に新卒入社。
(真ん中左)
小関里有さん …ライブプロデューサーコース。大学4年時に入学。在学中から舞台監督アシスタントとして現場に入り、4月から舞台監督会社タスコへ就職。
(真ん中右)
有賀瞳さん …構成作家コース。制作会社でADとして勤務後、一般企業を経て入学。YCA在学中の9月から神保町よしもと漫才劇場に見習い作家として入り現在も修行中。
(一番右)
王七音さん …エンタテインメントプロデューサーコース。IT企業で勤務後、大学院を経てYCAに入学。4月から吉本興業東京マネジメントセンターに契約社員として入社。
印象的だった授業・講師
司会(タケト)
――それではYCAで面白かった授業・講師について教えてください。跡見さんからお願いします。
跡見 私は『DAIENKAI』や『DAIBAKUSHOW』などの大型イベントの構成も担当されている、構成作家のたぐちプラス先生の授業が大好きでした。学生の書いた企画や台本に修正を入れてくれるのも勉強になりましたし、企画決めのやり方もすごく楽しかったんです。
――企画決めのやり方というのは?
跡見 たとえば学生企画の公演では、全員「自分の企画が選ばれたい」と思っているから、自然と企画決めがバチバチするんです。でもそういう時にも、「じゃあ投票制にしちゃおっか!」と言いだしたりして、みんなが楽しくできるように導いてくれました。ただの技術論だけではなく、チームで物事を決める時の“協力の仕方”も教えてもらいました。
――たぐちさんの「意見のまとめ方」が勉強になったんですね。人柄も大切なのだと分かりますよね。
跡見 すごく思いました。
――たぐちさんの考えるイベント自体も、めちゃくちゃ面白いから参考になりますしね。王さんは、印象に残っている授業はありますか?
王 私は構成作家のワクサカソウヘイさんの授業が好きでした。ワクサカさんは、ネタの作り方や考え方など、「どういう仕組みで笑いが生まれているのか」の原理の部分を教えてくれました。今までバラエティーを見ていても全く触れてこない話だったので、それが新鮮ですごく印象に残っています。
――そういうことを教わると、目線が変わりますよね。「この振りがあるから、このボケがウケるんだ」とか。その場にいる全員でお笑いをやっていることがわかるというか。
王 はい。ここの発言とここのボケが繋がっているんだなと。
――意外とお笑いってロジックなんですよね。
王 それはすごく思いました。なんかセンスや勘でやっているのかと思っていましたけど、仕組みがあるんだなと分かったことは学びになりましたね。
――そのロジックに当てはめた上で、みんなセンスを見せているんですよね。そこを学ぶことは、YCAに行かないとできないことかもしれない。
王 はい。それを知ると一見「面白くない」と思ったことでも、「どうしてこれを面白くないと感じてしまったのか」と考えたり、逆に「面白い」と思ったことも、何を面白く感じたか理解できるようになったりしたので、すごく良かったと思います。
――今年卒業したとは思えない(笑)。でもみんなも聞いていて共感するでしょう。それじゃあ続いて有賀さんの印象に残っている授業は?
有賀 私は元ジューシーズの松橋(周太呂)さんの授業が面白かったです。YCAの最後はコースごとに分かれて卒業制作をやっていくんですけど、私は作家コースで松橋さんに卒業制作の担当をしていただきました。
――卒業制作があるんだ。それは何をするんですか?
有賀 作家コースは自分たちで書いたネタを同期のNSC生にやってもらうんです。その卒業制作自体も、ネタを書くことで芸人さんの気持ちが分かり、とても勉強になりました。それに加えて松橋さんは、作家として「どういう立ち振る舞いをすべきか」、「どうしたら次の仕事につながるか」も教えてくださいました。
――松橋なんか今、バリバリ作家として売れている人間だからね。「アメトーーク!」や「ロンドンハーツ」なんかもやってるし。その松橋に技術面だけでないことも教わったと。
有賀 はい。作家としての心構えみたいなことも教えていただきました。
――例えば「企画を1個持ってきて」と言われた時に、1個だけではなく何個も持っていくとか、そういうことですよね。生き抜く上のことも教えてくれるのは良いですね。
有賀 はい。すごくためになりました。
――きっとYCAくらいですよね。現役バリバリの作家さんから学べるのって。
有賀 そうですね。「水曜日のダウンタウン」の作家さんもいらっしゃいましたし。
――大井(洋一)ちゃんだ。大井ちゃんは俺と大体同期なんだよね。
有賀 大井さんはすごく優しかったです。言葉も柔らかくて。
――めちゃくちゃ優しいんだよね。人を悪く言うところを聞いたことがないし。だけど「水曜日のダウンタウン」の企画は悪意の塊というか(笑)。
有賀 そうですよね(笑)。
――そういう本当にバリバリの作家さんが日替わりで来てくれるのは、勉強になりますね。では最後に小関さん、印象に残っている授業は?
小関 私は桝本壮志さんの授業を毎回楽しみにしていました。桝本さんの授業は、YCAの卒業生や吉本興業の社員さんを桝本さんが呼んできて、みんなで質問していく対話型なんです。そこで気になることを聞けるし、周りの人の質問によっても、得られる学びがありました。
――確かに、周りの人の質問とその答えが聞けるのはいいかもね。
小関 YCAには色んな志望を持つ人がいるので、自分の発想にはない質問をする人がいて、すごく楽しかったです。
――作家、舞台監督、吉本の社員など、いろんな方向を目指す人がいるからこそですね。良い授業だなあ。
授業以外で印象に残っていること
――それでは授業以外に、みんなが印象に残っていることも教えてください。
跡見 私はライブプロデューサーコースだったんですけど、学園祭や卒業制作で実際にお笑いライブを制作した時に、演者の芸人さんに「将来、一緒に働こうな!」と言ってもらえたのが、本当にグッときました。
――それはグッときますね! 芸人って正直だから、それを言うってことはライブが成功したってことだもんね。俺も今日、それを言って帰ろうかな。
一同 (笑)
――学生のうちに本格的なライブ制作ができていい経験をしましたね。王さんは授業以外でなにか思い出はありましたか?
王 私は同期の作家コースの子に誘われて、キングオブコントの予選に出たのが印象に残っています。全然1回戦落ちでしたけど(笑)。
――出たんだ(笑)。笑いはどうだったの?
王 笑いはゼロだろうなと思ったんですけど、3人ぐらいがちらほら笑ってくれたので、だいぶ嬉しかったです。「あっ、笑ってくれた」って。
――1回戦で初めて出て、2、3人の笑いがあるってすごいよ。芸人さんの思いを1回味わえたのは、これからのマネジメントに活きますね。有賀さんの印象に残っていることは?
有賀 私は、NSC生がやるYouTube配信の企画募集が作家コースに来た時に、企画を出したら通ったことです。
――すごい! NSCとYCAが連動しているんだ。
有賀 はい。その企画ではNSC生だけでなく、ネイチャーバーガーさんとそいつどいつさんにも来ていただいて、実際に制作を行いました。
あと先日幕張イオンモール劇場で、YCA現役生が考えた企画を芸人さんにやってもらうライブがあったんですけど、そこでも自分の企画を通していただきました。
――座学で先生に添削されるだけじゃなくて、在学中に制作を経験できるのがいいですね。しかも自分の企画をキングオブコントのファイナリストがやってくれるなんてね。小関さんは?
小関 私はさっき跡見も言っていたんですけど、10月の学園祭で初めてライブをつくる経験ができたのが楽しかったです。8班に分かれて、2つのライブで4つずつのコーナーをやったんですけど、同期の仲間とつくりあげることができて、良い経験になりました。
――やっぱり実際にやれるのがいいですよね。予算内でおさめるとか、劇場の形に合う企画をつくることは、座学だけでは学べないですからね。では最後は、通ったからこそわかる良いところと悪いところを聞いていきましょう!
座談会①「YCAに入学するのはどんな人?」はこちら
座談会③「通ったからこそわかる良いところと悪いところ。卒業後の目標」はこちら
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